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2019年 佐賀の家

施主は母と二人の子を持つ子世帯である。まずそれぞれの生活スペースを分けたいとの要望から上階を子世帯、下階を母世帯として要望諸室を納め、全体を家型に統合した。出来上がった「普通の家」の上階と下階の間にもう一つ中間層を挿入する。建物全体は敷地に対して「5°」角度を振り、隣地や敷地前後の周辺環境との距離を調整した。 またこの操作は東面(アプローチ)と西面(勝手口)の異なる性格の外部空間を作り出すとともに、隣地との距離に応じてかかる開口部制限の問題にも対応している。挿入された中間層は家型を貫くヴォイドとして立ち現れ、周辺環境もろともに内部空間を串刺しにしてく。ヴォイドの輪郭は外壁に近い抽象化した色調とし、照明も外部照明的扱いとすることで内部からテラス、外部へと漸次的に空間が遷移していく効果が生まれた。内部にいながら外部へと拡張される意識、半外部にいながら内部に内包されていく意識。「普通の家」にこのような両義性・意味の振動を孕んだ空間を貫入させることによって、人が「現在地」や「家」、果ては「生活」や「存在」に目を向けるきっかけとなることを考えた。



敷地 / 佐賀市

用途 / 専用住宅

構造 / 木造

規模 / 地上3階

敷地面積 / 188.33㎡

建築面積 / 81.15㎡

延床面積 / 202.87㎡


設計 / カナバカリズ

構造設計 / 坪井宏嗣構造設計事務所

施工 / マベック

撮影* / 藤井真宏写真事務所

撮影 / カナバカリズ